新年明けましておめでとうございます!
年末の大荒れとの予報から一転、札幌の新年は本日まで穏やかでとても気持ちのいいお天気に恵まれました。
しかし、冷え込みは例年以上に厳しかったように思います。
天気がよかったのでこのお正月は外での雪遊びが楽しめました。
息子の人生初のソリすべりです!
怖がって嫌がるかと思っていたのですが、大喜びでした。
昨年のこの頃はまだ歩いてもいなかったのに、今年はソリに乗ってはしゃいでいます。
子供の成長の早さには日々驚かされます。
そして、そんな子供の姿を見ていると以前は気にしていなかったような当たり前の日々がとても愛おしく感じられます。
争いのない平和で穏やかな一年となりますように、
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
ここ数ヶ月はブログの更新をさぼりにさぼっておりました。
さぼっていた理由は単に忙しいからなのですが、それに移動距離が重なって家に帰るとスイッチが完全にOFFになってしまいます。
とある一週間の風景です。
「月曜日」は日高町門別へ調査です。
競走馬の産地だけあっていたる所で馬をみることができます。
太平洋側のこの辺りは雪が少なくこの写真の日も札幌は雪景色でしたが、日高はほとんど雪が積もっていませんでした。
しかし、先週からの大雪で日高でもさすがに今は一面雪景色となっていると思います。
「水曜日」と「木曜日」は道東の中標津にて打ち合わせです。
木曜日は帰りの飛行機まで時間ができたので少し観光に行ってきました。
高台にある開陽台からの景色です。
見渡す限り地平線が続き、凄い数の牧場が連なっています。
武佐岳が地平線へと両翼を広げています。
まだ、時間があったので別海町の野付半島にも足をのばしてみました。
このあたりもまだ雪は少なく道路は乾いていました。
道路を挟んで右は根室海峡、左は野付湾です。
海の中に浮かぶ道路を走っているようでとても不思議な感じがします。
根室海峡のあるオホーツク海側を見ると国後島がとても近くに見えます。
あまりに近くて本当に驚きました。
夕日を浴びて淡く佇む国後島を見ているとなんとも言えない気持ちになります。
近くて遠い島なのですね。
反対側の野付湾は海なのに波がないせいか凍っていました。
夕日が氷の海に沈んでいきます。
どこまでも続く地平線に沈んで行く夕日を見ていると日本ではないような気がしてきます。
日本の東端なのでそういう感覚を持っても当然なのかも知れませんね。
幻想的で映画の一場面のような景色です。
冬の野付半島は最高にロマンチックでした。
やはり、道東の自然はすごい!
飛行機はプロペラ機なので歩いての搭乗になります。
こういうのって、いくつになってもワクワクしてしまいます。
「金曜日」は道北の幌延にて打ち合わせです。
北緯45°線が通る街です。
宗谷岬まではあとわずか、天気がよければ利尻島の利尻富士が見える北端に位置しています。
とにかく遠いです。
車で行ったのですが、往復で10時間以上かかりました。
前日までの太平洋側とは一転して日本海側なので雪も深く、吹雪くと前方が全く見えないような状態でした。
いや〜、北海道は本当に広いですね!
こんな感じなので家に帰るとブログどころではなくなってしまいます。
ですが、ブログは時間を見つけて少しでも長く続けていこうと考えているのでこれからもよろしくお願いいたします。
早いものでもう今年も残すところあとわずかとなってしまいました。
多分、これが今年最後の更新になると思います。
本年中はいろいろとお世話になり本当にありがとうございました!
そして、来年も皆様にとって幸多き一年となりますよう心よりお祈り申し上げております!
タツタナデシコの花が咲いていました。
エメラルドグリーン茎や葉の上に可憐な花が咲いています。
この可憐な花びらには力強い生命力を感じます。
ウェンブリースタジアムのピッチに立つ「なでしこJAPAN」のようです。
アメリカとの死闘、本当に素晴らしく美しい試合でした。
堂々の銀メダル!
試合後の清々しい笑顔にはその名の通りなでしこの花が画面いっぱいに咲き誇っていました。
ワールドカップ以来の長い長い戦い、本当にお疲れ様でした。
今年も咲いていました。
立派なハイビスカスです!
相変わらずいい笑顔ですね!
冬の間はいなくなっていたので、また今年も会えるとは思っていませんでした。
この植木鉢が冬の間も大切にされていたと思うと、とても嬉しくなります。
こんな感じで神社の境内にちょこんと座っています。
参拝に訪れる人々を明るい気持ちにしてくれます。
それだけでご利益ありですね。
北海道生活7年目にして初の富良野観光に行ってきました。
きっかけは、札幌駅北口の自転車置き場の屋上に植えられているラベンダーがキレイに咲いてるのを見たからです。
ラベンダー畑では定番中の定番、中富良野町にあるファーム富田です。
朝早かったのでなんとか駐車場に停めることができましたが、それでもすでに多くの観光客でいっぱいでした。
本当にきれいな景色です。
これこそ、「The・北海道」ですね。
ほとんどの日本人が持つ北海道の印象とは、こういった景色のことなのだと思います。
植え込みはとても丁寧に手入れがしてあります。
行って驚いたのですが、入園が無料なのですね。
これだけ手入れしてあってゴミひとつないのに、ウソみたいです。
しかし、そのかわりにお土産屋さんがとてもにぎわっていたので納得しました。
もうひとつの「The・北海道」です。
まさに「北の国から」の景色そのものです。
それもそのはず、麓郷にある五郎さんのトラックなのですから。
いやぁ〜、感動ですよ。
息子は車が大好きなので、トラックを叩いて大喜びです。
子供の頃に見ていたドラマの撮影現場に自分の子供を連れて観光に訪れるなんて、考えてもいませんでした。
いやぁ〜、改めて歳をとったのを実感してしまいます。
小学生だった純君や蛍ちゃんも今は40歳を越えているのだから当たり前の話しですよね。
時が流れるのは早い。。。
このところ、夏カゼに始まりなんやかんやとブログどころではありませんでした。
これだけ更新がないと、浅田死亡説や重病説なるものまで噂される始末です。
いやぁ〜、しかし、本当に暇がないだけなのでした。
前日までは一週間ほど関西に滞在していました。
関西は熱い!
気温も暑いですが、やはりラテンの国ですね。
6年ぶりの関西は本当にあそこで生まれ育ったのかと思うくらいの別世界でした。
札幌の爽やかさの中で涼しい顔をしている今の自分にはカロリーが高すぎます。
一週間でしたが、本当に密度が濃かったです。
最終日は関西国際空港から新千歳空港に向かう予定でしたが、なんと最終便に乗り遅れ、次の朝のフライトまで関空で過ごす事となりました。
関空のターミナルビルはイタリアを代表する建築家、レンゾ・ピアノの設計によるものです。
このトラス、すごいですね!
開港から20年近く経ちますが、その空間は古びることなく海の上に優雅に浮かんでいます。
三連休ということもあり、空港近くのホテルはどこも満室で結局、ベンチで一夜を過ごすこととなりました。
23時くらいまでは店舗も営業しているのでそれなりに賑やかでしたが、それ以降は閑散としていて何もする事がありませんでした。
本を読みながらベンチシートに横たわっていると、警察官から職務質問を受けました。
一応、身分証明書を提示して下さいとの事だったので運転免許証を探していたのですが、カードケースが見当たらず、代わりに仕事用の書類入れに入れてあった一級建築士免許証明書を提示しました。
すると、警察官いわく巷ではこの免許を偽造して営業していた二級建築士が話題になっているとのこと。
数日テレビを見ていなかったので知りませんでしたが、そんなことが話題になっていたとはとても残念です。
今年もあとわずかで一級建築士の学科試験が行われます。
受験生のほとんどは仕事の合間に寝る時間、遊ぶ時間を削って本当に本当に一生懸命勉強しています。
そういった、努力に対してとても、とても失礼な行為だと言えます。
そして、一部の人間による不正は業界全体の信頼をおとしめることにつながります。
許しがたい行為を耳にし、おかげで寝付きが悪くなりました。
眠れないので、空港内を散歩することにしたのですが、他に歩いている人の姿もなく昼間とはうって変わって静まりかえっていました。
大空間の静寂はとても不思議です。
穏やかでなんとも言えない不安感があります。
どうしても、隅っこに隠れたくなります。
空港の朝はとても早く、4時には慌ただしく動き始めました。
寝たか寝ないかの睡眠でしが、朝がとても恋しかったので気持ちよく目を覚ますことができました。
それから数時間後、やっと9時の便で新千歳へ向かうことができました。
新千歳に到着してまず、その肌寒さに驚きます。
北海道の夏は本当に快適ですね。
家に到着したのは前日に関空へと向かった時間とほぼ同じでした。
丸一日かかっての帰宅です。
本当に疲れたのですが、会いたかった息子の顔を見るとそんなのはもうどうでもよくなりました。
いやぁ〜、カワイイ!!
建築への夢は安藤忠雄の建築に出会ったことから始まりました。
それは学生の頃、偶然立ち寄ることになった姫路文学館がそのきっかけでした。
館内を順路にそって一通り歩くと、外見からは想像できないとても印象的な空間の連続で時間の流れまでもが変化したような不思議な感覚をおぼえました。
そして、建物の屋上に上がると姫路城が見えます。
お城から500mも離れていない場所に建っているのでよく見えて当たり前なのですが、その迫力は他の場所からの見え方とは比べ物にならない迫力でした。
こんな見え方があるのだと、とても衝撃を受けたのを今でも鮮明に憶えています。
外に出ると階段状になった大きな水盤の連続で、その水盤はとてもゆっくりと下流へと流れていきます。
その真ん中に浮かんだスロープは水盤の上を優しく下っていきます。
そして、そのスロープを歩いて下っていくと水の流れる音がとても穏やかに後からついてきます。
出口を出ると、しばらくは何がなんだか分かりませんでした。
とにかく、こんな建物があるのだとショックを受けました。
建築は、空間は、こんな風にも見えてこんな風にも感じる事ができるものなのだと。
それからは、安藤作品をよく見に出かけたものです。
京都、大阪、神戸と関西には安藤建築が数多く目にすることができます。
その建築には全てにおいて共感することができました。
デザインは隅々までコントロールされ、空気までもが作り出されているようなすがすがしい緊張感があります。
今でも安藤建築、そして安藤さんの生き方は目標のひとつです。
しかし、住み心地に関しては別です。
住宅はとても人が快適に住めるとは思えませんでした。
冬はキンキンに寒く、夏はカンカンに暑い。
一年中で快適な期間はほとんどないように思います。
安藤さん自身、住宅の依頼をしてきた人には不便で不快、住みにくいと最初にはっきりと断っておくそうです。
さすが、安藤さんです。
デザインばかりを気にして、クライアントに甘い言葉ばかりを口にするナンパな建築家とは本質が違います。
しかし、そういったデザイン重視の住み心地がよくない家でも建築界では評価されることが多々あり、逆に、そういった作品ばかりが脚光を浴びているような世界でもあります。
たとえ、クライアントに訴えられるような建築だとしてもです。
華やかな建築の世界では、クライアントはパトロンのようなモノなのかも知れません。
建築家の目は建築家の世界でどうやったら認められるか、そんなことばかりに目が向けられているように感じます。
最近の野心のある建築家は特にこの傾向が強く、さらに加速しているように思います。
正直、そんな世界にはうんざりします。
クライアントの要望に正面から向き合ってひとつずつ積み上げて行く。
どんな時でも住み心地に対して安心感のある、ホッとできるような空間。
そういった空間や建築を目指したいものです。
そして、それが建築界で評価されなくても結構です。
元々、そんな名声は求めていないのだから。
テーマは、「家族の風景」、「穏やかな暮らし」です。
このテーマだけは何がなんでも貫き通していくつもりです。
サッポロファクトリーの東隣りにある、旧永山武四郎邸の庭園に藤が咲いていました。
庭木に絡まって天然の藤棚になっています。
淡紫色の花が乾いた爽やかな風に揺られています。
少し白っぽい花の色をしています。
この花は天ぷらにしても美味しく食べることができるそうです。
この垂れ下がった藤の花の姿は舞妓さんの「花かんざし」に使われています。
その他にも「下がり藤」は多くの家紋に使用されています。
古くは万葉集の時代から親しまれているだけあって、とても日本的な花と言えますね。
旧永山武四郎邸です。
明治の始めに建てられた邸宅で、現在は北海道指定有形文化財に指定されています。
邸宅内は年末年始を除いて、無料で公開されています。
しかし、和と洋が見事にお互いを引き立てあっています。
この和洋折衷の造りはとても参考になります。
手入れの行き届いたお庭はとても街中にあるとは思えない心地よさです。
散歩でよく訪れますが、利用者はほとんどいません。
隣に商業施設のサッポロファクトリーがあるのでもう少し人がいてもいいと思うのですが、利用者が少ないのは本当にもったいないです。
エントランスに敷かれた札幌軟石がとてもいい雰囲気で印象的です。
軟石は火山灰が固結した凝灰岩です。
大谷石によく似ていますが、札幌軟石の方が落ち着いた灰色をしています。
札幌ではレンガと並んで古い建物によく使用されています。
札幌軟石で造られた建物は今も現役で使われているものが多く、カフェなどの飲食店やギャラリー、結婚式場などとして再利用されています。
古くから街の景色を彩ってきた建物は根が張った老木のように自然で安心感があります。
街はどんどん新しくなりますが、新しいものが必ずしも素晴らしいとは限りません。
文化の継承は、過去、現在、未来に向かい合うことから始まると思います。
今、必要な事は昨日であり明日でもあります。
目先の利益に振り回されていては遠い未来に光が射すことはないのだと。
そして、こういう歴史ある建築物は、決して建築がスクラップ&ビルドが前提であってはならないのだと、いつも強く意識させてくれます。
散歩中に妻が撮ったスナップです。
ピカピカの丸い柱に映った湾曲した街角を写したワンシーンです。
写真ではT字路に見えますが、実際は直角に交わった十字路です。
一緒に写っている私が邪魔していますが、私の奥に道路が続いています。
自分ならこんなワンシーンは気にせず見過ごしてしまいます。
ありきたりの日常も少し視点を変えれば、これだけ違って見えるものなんだと感心させられます。
こちらも散歩の途中で見つけました。
セブンイレブンの駐車場に描いてあったのですが、一体誰が来店したのでしょうか?
10㎝角ぐらいの大きさでアスファルトに直接描かれています。
だいぶ描き慣れた感じです。
ご存知の方はアポロラボまでお知らせ下さい!
公園でベンチに腰掛けていると、幼稚園児が近寄ってきてポケットから木の枝を出して見せてくれました。
彼の説明によると「恐竜の骨」だそうです。
そして、太古の昔、この公園の辺りには恐竜が住んでいたそうです
ただの木の枝なのですが、なるほど骨と言われればそう見えなくはありません。
しかし、すごい想像力です。
彼の発想は果てしなく自由です。
それに比べ、歳を重ねて凝り固まってしまった自分の脳内がとても残念でしょうがありません。
う〜ん、うらやましい。
セルフビルドの記事の続きです。
セミセルフビルド向きの作業として前回は「塗装」について触れました。
同じく取り組みやすいもののひとつとして、「レンガタイル貼り」があります。
キッチンの壁や薪ストーブの近くにはレンガタイルを貼ることが多々あります。
レンガは直接工場に仕入れにいく事もあり、気に入った色合いのタイルを実際に確認して選別することも可能です。
ハネ品と呼ばれるB級品は味があって、正規品に比べて価格的にも魅力的なのでよく使用します。
上の写真ではお施主さまがご自身でキッチンにレンガタイルを貼られている所です。
まず、割り付けに合わせて下地の壁に水平の墨を入れます。
次に、完成した壁をイメージしてタイルを割ったり切ったりします。
そして、イメージに合わせてタイルを専用のボンドで貼付けていきます。
じっくり考え過ぎないことです。
勢いをつけてさっさと作業を進めていくのが成功の秘訣です。
タイルの裏にボンドを塗っている所です。
私もエプロン持参で作業に参加せてもらっています。
こういった作業はワイワイと本当に楽しくてなかなかやめられません。
通常は上の写真のように熟練の職人さんがコテで下地に直接ボンドを塗り付け、その上にタイルをテンポよく貼っていきます。
もちろん、おまかせした方が作業時間は相当に早くなります。
バランスよく、とてもキレイに貼り終えることができました。
次の日にタイルの隙間に目地を詰めます。
後は乾けば完成です。
キッチンと家具が入るとこんな感じになります。
なかなかに味のある仕上がりとなりました。
こういった作業は工期にあまり影響もしないので、気楽に楽しむことが出来ます。
上の写真は店舗のキッチンに施工した時の写真です。
レンガは住宅でも店舗でもグッと雰囲気が出るので本当にありがたい存在です。
カナールです。
水路や運河のことをカナールと言うそうです。
札幌市手稲区にある「前田森林公園」にあります。
長さが600mと公園にしては立派すぎるスケールです。
カナールとポプラが大きすぎて人間がとても小さく見えてしまいます。
この写真にもカナールの脇に数人写っていますが、よくよく見ないとわかりません。
先ほどの写真の反対側(東側)から撮った写真です。
奥には手稲山が見えます。
都市公園なのでもちろん無料なのですが、それにしても凄い景色です。
車だと札幌の中心部からでも30分以内で辿り着くことが出来ます。
札幌にはこの他に「モエレ沼公園」や「百合が原公園」など多くの公園が点在していますが、どこも本当に大きくて移住者にとっては驚きのスケールばかりです。
さすが、北海道ですね。
カナールの両サイドにはポプラが植えられています。
一列が60本なので、4列を合計すると240本にもなります。
おそらく札幌で一番のポプラ並木だと思います。
ポプラの足下にはタンポポが元気いっぱいに咲いていました。
上の写真はモエレ沼公園ですが、モエレ沼公園でもこの時期はタンポポが元気いっぱいです。
前田森林公園はこのカナールだけでも凄いのですが、この他にも3000平方メートルの芝生広場や野球場、サッカー場、ビオトープ、バーベキュー広場、パークゴルフ場などの施設も付随していて総面積は59.7ha(ヘクタール)にもなります。
ちなみに、東京ドームの敷地面積は4.7haです。
この日はバーベキューを目的にやって来ました。
ガスコンロと鉄板は持参したものですが、炭火用のコンロは無料で貸し出ししてくれます。
炭やジンギスカン用のお肉のセットも販売されているので手ブラで来ても十分に楽しむことが可能です。
いやぁ〜、しかし本当にとても素敵な公園です。
最近はセルフビルド住宅がメディアなどでも取り上げられ注目されています。
しかし、全ての工事を素人が一から行うとすれば、それはかなりの困難を伴うものとなります。
この場合、大事なところはプロに任せて、素人でも施工出来そうな所はできるだけ自分達でやってみるような参加型の「セミセルフビルド」が時間的にも費用的にも効率がいいような気がします。
セミセルフビルドの中で取り組みやすいもののひとつに外壁の塗装があります。
APOLLO LABでは外壁に天然の木材を多く使用しています。
その外壁塗装には通常、オイルステインを使用します。
オイルステインは塗ると言うよりは、浸透させると言った方がいいかも知れません。
オイルが木の表面だけでなく内部にまで浸透していくので、雨などにさらされても木の内部まで水分が侵入することを防いでくれます。
浸透しているので、ペンキのように剥げることも無く耐久性にもとても優れています。
刷毛で塗っていくだけなので素人でも簡単に行える作業です。
しかし、やはり家一軒分となるとその表面積はかなりの作業量になるので休日返上で根気強く塗り続ける必要があります。
外壁の材料(胴縁)にセルフで塗装をしているところです。
お施主様の友人、知人など大勢の助っ人が駆けつけてくれています。
一人ではとても時間がかかる作業なので、応援はとても心強くありがたい存在です。
そして、何よりも皆さんワイワイとても楽しそうに作業をされています。
こういった所もセルフビルドの魅力のひとつですね。
この材料にはオイルステインではなく、「ウッドロング・エコ」という天然成分のみで作られた腐朽菌が発生しにくい木材保護剤を使用しています。
紫外線や雨をなどの湿潤を繰り返すことによって木材に浸透していく材料なので、時間が経つほどに効果が発揮されます。
そして、だんだんと表面の色も濃くなり、自然な枯れた茶色に近づいていきます。
この現場では外壁を張る作業も全てセルフで行われました。
写っている方は皆さん助っ人(素人)の方です。
とても頼もしい存在です。
しかし、外壁の表面積がとても広い家なので張り終えるには一苦労です。
微力ながら、私も助っ人の一人として何回か参加させて頂きました。
メインの大壁が張り終えたところです。
この色もだんだんと濃くなっていい色になっていきます。
この住宅の内部(リビング)です。
この左官壁、レンガ張りも全てセルフで施工されました。
セルフですが、いい意味でとても味のある仕上がりです。
このお家から見える景色です。
東の窓からは、石狩湾がとてもキレイに見えます。
こういった景色も思い出のいっぱい詰まったセミセルフビルドの空間によって一層愛着のある景色になると思います。
どんな住宅でもノーメンテンンスでは長持ちさせることは難しいでしょう。
そして、住み慣れた家に少しずつ手を入れ、メンテナンスしながら長く付き合っていくのが理想だと言えます。
10年の単位で考えるとすれば、家族の構成も変化することだと思います。
そうすれば、空間の使い方も変わってきます。
小さなリフォームを繰り返しながら、その時に合わせた空間造りを楽しむことも住宅と長く付き合っていく方法のひとつです。
その入口としてセルフビルドのように住宅の建設に参加することはとても意味のある事だと思います。
設計においてもそういった変化に対応することのできる空間造りを心掛けています。
その結果として、愛着を感じて長く住み続けてもらえるのなら設計者としてはこれ以上に嬉しいことはありません。
今日もいい天気です。
大通公園ではライラックが見頃をむかえていました。
モクセイ科の花だけあって、とてもいい香りがします。
この木は公園の中で一番淡い紫色をしていました。
この花の色と香りが、5月の乾いた空気をより一層さわやかに演出してくれています。
今の大通公園はどこにいてもいっぱいの花や緑で本当に気持ちがいいです。
23日(水)〜27日(日)までは恒例の「さっぽろライラックまつり」が開催されます。
見頃と重なりちょうどいいタイミングでの開催となりそうです。
ライラックまつりではワインガーデンも用意され、道内で生産される数々のワインを一度に楽しむ事もできます。
このカラッとした空気と開放感のある緑の中で飲み出すと止まらなくなってしまうのでいつも困ってしまいます。
今年は天気のいい日も多く、湿度の低い快適な北海道らしい初夏が続いているので移住者としてはそれだけで嬉しくなります。
厳しい冬の後に訪れる楽園のように快適な季節は本当に魅力的です。
先日、立ち寄った支笏湖です。
モノトーンの静かな湖畔がとても神秘的な雰囲気を醸し出していました。
晴れていれば上の写真のように樽前山を望むことができます。
晴れの景色もいいのですが、この日の曇った景色はなぜかとても心地よく感じました。
水墨画のようなコントラストが時間の速度をゆるめ、今にも降り出しそうな雲が景色全体になんとも言えない緊張感を与えています。
北海道の自然はとてつもなく大きく、その大地の力には圧倒されてしまいます。
その自然を感じるたびに、開拓者の力強さに驚かされます。
重機も何もない時代によくこの大地を切り開く事ができたものです。
厳しい冬をいったいどうやって乗り越えてのでしょうか。
生活環境が整った快適な今の生活からは想像もつきません。
全ての原発が停止した今、改めてこの素晴らしい自然と開拓で築かれたこの生活がいつまでも続くことを願います。
先日、「北側の採光」の良い所について触れましたが、だからと言って「南側の採光」を否定している訳ではありません。
あくまでもその土地の置かれる環境、そしてその土地の持つ良さを最大限に考えて窓の配置を考えていきます。
例えば、この平屋の住宅です。
上の写真は建物の北側にある玄関を見ています。
この北側は道路と接しているので開口部を設置するにはあまり適していません。
道路を挟んで向い側には住宅も建っています。
そのため、道路からは閉じた印象のファサード(正面)になっています。
逆に、敷地の南側には遊歩道を挟んで海まで森が広がっています。
そして、この敷地に住宅を建てるとすれば、北側の道路とそのお向かいさんを見て過ごすよりも、この森を見て生活することで決まりです。
この写真のように、ほとんどの窓から見える景色は南側の森がメインとなります。
リビングのこの窓は西を向いていますが、それでも森が見えるように配置しています。
一日のほとんどを過ごすリビングとダイニングでは、どこにいても森が見えるように窓を配置してあります。
太陽高度の低い冬場であれば、それらの窓からは日中はほぼ一日中、陽が差し込みます。
その場合、日射から熱を得ることができるので、その熱で室内が温められ室温が上昇し、その結果、暖房負荷の軽減にもつながります。
それでは逆に、夏は暑くて困りそうですが、夏場は太陽高度が高いので軒さえしっかりと出しておけば気温の一番高くなる時間帯に直接日射が差し込むことを防ぐことができます。
この住宅でも夏場のことを考えて軒を出してあります。
南側はもちろんのこと、西側には少し長めに軒を出して西日の侵入時間ができるだけ短くなるようにしてあります。
上の写真は敷地の南側(森の方)から見ています。
写真の手前には遊歩道があり、庭には大きな広葉樹が植えられています。
夏場はこの庭の木々に葉が茂り、そのおかげで強い西日を遮ることもできます。
逆に、冬場は葉が落ちて室内に日射を獲得することができます。
こういった周辺環境と共存したパッシブな考え方も、できるだけ設計に取り入れるようにしています。
実は、この住宅で一番素敵な景色が見える場所は浴室なのです。
この写真の廊下の奥に見えるのが浴室です。
(ひとつ前の南側から見た写真の一番右にある窓が浴室の窓になります。)
この浴室と森との間には遊歩道があるのですが、ほとんど人が通らないので思い切って浴室をこの位置にもってきました。
湯船に浸かりながら森を眺め、夜には星を眺める事もできます。
もちろん、人目が気になれば窓に内蔵されているブラインドを下ろせば視線を遮ることが可能なので安心です。
この浴室内には洗面台も設置してあるので、朝は必ずこの浴室を使うことになります。
一般的に水まわりは必ずといっていいほど日陰に追いやられがちです。
しかし、一日の始まりに家の中で一番気持ちのいい場所で顔を洗うものいいものだと思います。
天気が良ければそれだけで嬉しくなります。
雨が降っていれば家の中が愛おしくなります。
朝、歯磨きしながら外を眺めてそんなことを考える時間があってもいいんじゃないかと思います。