Architectural design office
アポロラボ 一級建築士事務所
北海道札幌市の建築設計事務所
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北側の採光

窓と言えば、その多くは南側に設置してほしいとの要望がほとんどです。

しかし、北側の窓も捨てたものではありません。



この住宅は主な開口部の多くが北側に設置してあります。

この住宅の場合、南隣りの土地には既に土地ギリギリに住宅が建っています。

なので、南側に開口部の多くをとってしまうと、常にその住宅を見て過ごさなければならなくなってしまいます。

そしてその結果、お隣さんの目を気にして日中でもブラインドやカーテンを閉めてしまうことにもなりかねません。



土地が北西の角地に位置しているので、お昼を過ぎると西の車庫側に日光が当たります。

冬なので北側に直接日射が差し込むことはないのですが、夏至に近い夏頃には北側にも日が差し込むことがあります。

あまり知られていないのですが、北側壁面には春分から秋分までの6ヶ月間は日射を得ることができるのです。

夏至の北側壁面は日の出後と日没前に日照があり、北緯36°付近(関東地方)であれば可照時間は7時間28分と東西面合計の7時間14分よりも長くなります。



北側の窓から入る光です。

ダイニングには冬でも足元まで十分な明るさを確保できています。



キッチンですが、日中は電灯を点けなくても北側の採光だけで料理することも可能です。



この土地で北側に開口部をとった最大の理由は、庭と道路を挟んで北側(写真左)にある防風林の景色がとても魅力的だったからです。



家の中からは北側の窓を通してこのような景色を見ることがます。

南隣りのお家を見て過ごすよりも、日光が当たってキレイに映える防風林を見た方が気持ちのいい一日が過ごせることでしょう。

それと、南側からの採光は強すぎて日中の採光が安定していません。

しかし、北側からの採光は一日中優しい光が安定して入ってきます。

勉強机や書斎の机などは南側の窓の下にもってくるよりも北側の窓の下にもってきた方が机の上が安定して明るいため落ち着いて読み書きをすることができます。

冬場の日射取得熱など南側採光で有利なことも多くありますが、北側の採光にも多くの利点があります。

その土地の魅力を引き出すためには開口部の設計はとても重要になってきます。

その土地の環境を最大限に活かして、四季の変化や光の移ろいを楽しむことのできる空間造りをいつまでも大切にしていきたいものです。


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